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宝の持ち腐れ

〜森の所有者は山に帰らない〜

こんにちは、モリワク!です。

今、日本の森林の多くは宝の持ち腐れ状態になってきています。モリワク!はそんな課題を解決したいと思っています。そこで 今回は、日本が抱えるもうひとつの深刻な問題、「所有森林の放置と管理不足」の現状につい根拠データ:国土交通省の調査結果から

国交省の基礎調査では、私有林の所有者の約8割に後継者はいると回答されていますが、そのうち実際に管理する意志があると回答した人はわずか2割弱。 「わからない」が4割近くに上っており、管理意志の不確かさが将来的な管理放棄の懸念を生んでいます。

【参考】

国土交通省「森林・林業基本調査」

つまり、所有者がいるだけで、実態としては管理されない森林が全国に散在しています。

市町村も手が回らず、小さな森林は放置の対象に

  • 市町村へのアンケートでは、8割以上の自治体が「マンパワー不足」で森林管理が難しいと回答しています。

  • 特に森林所有が分散化・小規模化していることで、業者が集約管理を引き受けにくく、管理が手薄になるケースが多数。

【参考】

千葉県農林総合研究センター「森林の所有形態と管理状況に関する報告」

加えて、境界不明・所有者不明地の存在や、手続きの煩雑さも、管理のハードルを高めています。

無管理森林の実態調査結果(衛星と現地調査による推計)

国交省の調査によると、「無植栽伐採跡地」「無間伐林分」「放棄竹林」など、現地と衛星画像から管理されていない森林は全国で3.9〜22.9万ヘクタールにも上ると推定されています。

【参考】

環境省「里山・里地保全の現状」

これだけの面積が管理されなければ、森林の機能低下・災害リスクの増大・生物多様性損失といった環境問題へ直結してしまいます。

放置林による自然への悪影響

里山・二次林など管理されない森林では、タケ類やネザサ類が繁茂して、土壌浸食や植生構造の均質化が進行。 その結果、本来棲んでいた植物や昆虫(例:カタクリ・ギフチョウなど)が姿を消すことも報告されています。

【参考】

自治体ワークス「森林管理の課題と自治体の対応」

千葉県の課題にも共通点が

千葉県の森林研究報告でも、「所有形態が小規模・分散型で、放置森林が増加」しているという指摘があります。 所有者が不在で管理意志が不明瞭な森林が多く、効率的な手入れが難しい状況です。

なぜこの課題は重大なのか?

  1. 森林が手入れされなければ、土砂崩れや洪水リスクが高まる

  2. CO₂吸収能力や水源涵養機能などの多面的機能が低下

  3. 地域の自然価値や観光資源が失われ、生態系が損なわれる

森林をただ「所有している」だけで機能を回復できないという事実は、地域コミュニティや都市住民にも無視できない影響を与えます。

モリワク!が取り組むべき方向性

このような背景があるからこそ、私たちは次のようにアプローチします:

  • 都市住民の体験ニーズを活用して、所有者に管理のきっかけを提供する

  • 地域でまとまった森林を「体験ツアー」の対象地として活用し、管理の必要性・楽しさを伝える

  • 体験を通して関係人口を育て、地域住民としての所有者との対話の場をつくる

こうした活動を通じて、「ただ持っているだけの森林」を、「手入れされ、価値を生む森林」へと変えていくのが、モリワク!の目指す方向です。

 
 
 

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